講師紹介
藤原 真由美(ふじわら まゆみ)
遺品整理・生前整理・特殊清掃を手掛ける「株式会社ココピア」の取締役。孤独死の現場に触れる中で「誰もが人生を全うできる社会」を自身の理念とする。SDGsビジネスマスターの資格を取得後、自社でもSDGsを実践している。テゴラボが運営するラジオ番組「ひも解くト〜ク」のパーソナリティも務める。
SDGsの認知度は上昇傾向
日本のSDGsの認知度について、2018年は14.8%だったのに対し、昨年2021年は54.2%に上昇しています。ただ、この数値は子どもに調査をすると認知度80%を超えています。小学校の教科書にもSDGsに関する記述があり、日常生活でもSDGsの価値観が浸透しているそうです。
SDGsは2016〜2030年にかけて達成することを目標に国連193カ国が掲げた目標ですが、日本でもまだまだ進んでいない項目も多いです。項目としては5「ジェンダー平等を実現しよう」、12「つくる責任、つかう責任」、13「気候変動に具体的な対策を」、17「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成が遅れていると言われています。 藤原氏は、17「パートナーシップ目標を達成しよう」に関しては、実際に課題に取り組もうとした際、自社だけで解決できると考えがちであるが、社会問題・課題に対しては自社だけではできないことがたくさんあるので、いろんなアイディアを出して一緒に進めていこうという姿勢が広がってほしいと訴えました。

選ばれる企業になれる!SDGsのメリット
SDGsを自社に導入した際のメリットは、主に5つ挙げることができます
①上場企業から直接・または間接的に選ばれるようになる。
②消費者に選ばれるようになる。
③価格競争に巻き込まれない。
④若手の有望な人材を採用できる。
⑤経営者も従業員も幸せになれる。(生産効率が30%も上がったと言われている)
藤原氏も自社で3年前からSDGsを実践しており、それまでは若手の採用に苦労していたが、SDGsを掲げるようになってから応募が大幅に増えたといいます。

見せかけの活動はSDGsウォッシュになりかねない
最近、自社のサイト上でSDGs宣言を掲載している企業が増えたが、掲載をするだけに留まると、実態以上にSDGsに取り組んでいると見せかける「SDGsウォッシュ」になりかねません。
SDGs宣言には実は4つのステップがあり、まず2段目までを行うことが大切です。
1.0の段階は自社が既に取り組んでいること・自社の仕事内容をSDGsの項目と照らし合わせ宣言する状態。そこから2.0の段階にいくためには、自社の取り組みが「地球規模」「バックキャスト」「誰一人置き去りにしない(取り残さない)」という3要素を満たしているかを考えながら、取り組み自体を改善させていくことが必要になります。
1.0の段階で留まるとSDGsウォッシュになりかねないという指摘がありました。

SDGsはルービックキューブで考える
また、SDGsの「誰一人置き去りにしなおい(取り残さない)」というビジョンは、近衛商人の三方良しと通ずる概念であるが、SDGsビジネスでは六方良しの、売り手良し・買い手良し・作り手良し・世間良し・地球良し・未来良しまで意識することが大切だ。特に、売り手・買い手を除く4要素に関して、働く社員の満足度も高く、世間に必要とされながら改善や未来を考えてこそ良い商売ができるという。ここまで考えなければならないのはトレードオフの概念からだ。誰かのためにやっていることが、一方で誰かを悲しませている可能性があり、SDGsにおいて問題はパズル型ではなくルービックキューブ型で考えなければならないという。また、トレードオフをトレードオンにすることで持続可能なサイクルが生まれるといいます。

自社リソースを用いた課題解決の体験
ここで、本セミナーでは2つのゲームを行いました。
1つ目のゲームは、トレードオフ・トレードオンを学ぶ「THE SDGsアクションカードゲームX(クロス)」です。このゲームでは、トレードオフで生じた問題を自社のリソースを用いて解決することを体感するゲームです。
2つ目のゲームは、もっと実践的な地域課題の解決を考えるゲーム。
ここでは、各チームそれぞれ、社会課題を自分たちで出しながら、自社のリソースを中心に
課題を解決する策を考えるゲームです。
参加者はそれぞれ3〜4人チームに分かれ、日頃接点のない異業種で働く人同士でゲームに取り組みました。その中で、「他企業と話す機会を持つことができ刺激になった。」「自社の強みだけでは解決できないことも、周りのリソースを共有することで解決につながることがわかった。」「自身の企業は地域に根ざした小さい1企業だと思っていたが課題に対応する策が以外にもあると気付かされた」など、さまざまな感想がありました。

【まとめ】SDGsビジネスで大切なこと
ゲームを終えて、藤原氏はセミナーのまとめとして、改めてSDGsビジネスにおいて重要な3つのキーワード「バックキャスト」「地球規模」「誰一人置き去りにしない(取り残さない)」を振り返り、また、SDGsビジネスにおける六方良しの考え方も意識してほしいとした。
最後に、SDGsのビジネスにおいては、何故やるのかを共有した上で、子どもたちや未来の地球のために持続可能な取り組みとして何ができるか考えてほしいと締めくくった。